【施術日記】肩の詰まりを解きながら、身体の「居場所」を書き換える。

「ここに、自分がいないみたい」
セッションを終えた彼が漏らしたその言葉に、僕はしばらく聞き入ってしまいました。
彼はピラティスを教える身体のプロ。
けれど、新しいトレーニングによる「右肩の違和感」が、彼の繊細なセンサーに引っかかっていました。
僕は彼の肩に触れ、硬くなった筋膜を一つひとつ解いていきます。
けれど、肩を揉んで終わりにはしません。
肩が詰まるのは、足首や骨盤が重力を逃がしきれず、肩がその分を「頑張って」引き受けていた結果だからです。
肩をしっかりリリースしながら、足元から「水平なライン」を引き直していく。
そうして全身の垂直軸が一本通ったとき、肩はようやく「頑張る」という仕事から解放され、本来の自由を取り戻します。
「自分と空間の境目がないんです」
それは、内側の歪みが消え、外の世界(重力)と完全に調和した証。
身体の設計図を書き換える並走ができること。
この仕事の深さを、彼が改めて教えてくれました。

