【施術日記】身体という名の「重力建築」。首の伸びを足裏から取り戻す。

先日、建築の第一線でバリバリと活躍されている方がセッションに来てくださいました。
その方との会話がとても面白くて。
「ドバイには素晴らしい建築がいっぱいあるんだ、戦争によって破壊されるなんてもったいない!」という建築家ならではの視点に、僕も思わず身を乗り出してしまいました。
そんな彼女の今回のお悩みは、なかなか取れない「首の張り」でした。
「エステにも行ったけれど、首が上にスッと伸びる感覚がなかなか戻らなくて……」
建築に詳しい彼女だからこそ、僕は「身体を一つの構造物(建築)」として捉えるお話をしました。
アイダ・ロルフは、身体を足、骨盤、胸郭、頭部といった**「ブロック(セグメント)が積み重なった塔」**のように考えていました。
もし、土台である足元が不安定なら、その上の階層は崩れないようにどこかで必死に支えなければなりません。
実は、首の凝りの正体は、筋肉が「支える」という過剰労働を強いられている状態なんです。
本来、重さを支えるのは「骨」の仕事で、筋肉は「動く」ためのもの。
でも、建物のバランスが崩れると、筋肉が本来の役割を忘れて、必死に「支え」になろうとして固まってしまうんですね。
今回のワークでは、首だけを触るのではなく、**「足裏を始まり」**にして全身を再構成していきました。
足の裏が地面を正しく捉え、そこから生まれる反発力(揚力)が、背骨という柱をスッと通り抜けて頭頂まで突き抜ける……。
そんな、**「天と地をつなぐような垂直の軸」**を一緒に探していきました。
セッションが終わる頃、彼女がふと漏らした言葉が印象的でした。
「毎回、ここに来ると身長が伸びる気がする」
優れた建築が、重力と戦わずに美しく立っているように。
僕たちの身体も、無理に「良い姿勢」を作ろうとするのをやめて、重力を味方にできたとき、最高にエレガントで軽い状態になれるんです。
僕にとっても「身体という建築」の奥深さを再確認できる、豊かなひとときでした。
来月、さらにアップデートされた「彼女」という建築にお会いできるのが、今から楽しみです。

