【施術日記】80代、ふらつきの先にあった「芯」の感覚。膝の変形と丹田の力。

神楽坂のセッションルームに、10シリーズを終えられた80代の女性が、メンテナンス(フォローアップ)で来てくださいました。
シリーズ終了直後の良い状態をキープしたいところですが、今回は少し厳しい状態でのご来訪でした。
長年の癖である「膝下の変形」の影響もあり、歩行時にふらつきが出てしまっていたのです。
最初のチェックでは、「最近の健康診断で、お薬の関係でフラフラすると言われた」と仰っていましたが、身体を拝見すると、構造的なバランスの崩れも大きく影響しているように見受けられました。
セッションでは、その変形に対して全身の繋がりからアプローチを重ねていきました。
右足はかなり綺麗に整ってきたのですが、左足にはまだ強い変形が残っています。そこを無理に真っ直ぐにするのではなく、重力に対して「どう支え、どう力を逃がすか」という、身体全体の再組織化を進めました。
ワークの終盤、じっくりと軸を整えて立ち上がっていただいたとき、彼女がふと漏らした言葉が印象的でした。
「あ、丹田に力が入ったわ」
「力が入る」というのは、筋力で踏ん張るということではありません。
重力に対して骨格が適切な位置に収まり、身体の中心(コア)である丹田にエネルギーがスッと集まった、物理的な感覚です。
80代というご年齢、そして膝の変形という課題があっても、構造が整えば身体は即座に「本来の支え」を思い出してくれます。
ふらついていた足元が、内側からの力で安定する。
その瞬間のクライアント様の引き締まった表情に、このワークが持つ「構造を立て直す力」を改めて感じた時間でした。

