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「流沙(リュウサ)」という名の、新しいタッチとの出会い
こんにちは。
新宿区・神楽坂、江戸川橋付近で、筋膜リリースによる身体バランス調整を行っている
ロルフメソッドSI神楽坂の松本です。
5月16日〜18日の3日間、大阪で開催された「流沙(リュウサ)」セミナーに参加してきました。
あまり耳馴染みのないこの“流沙”という言葉。
これはロルフメソッド創始者アイダ・ロルフの直弟子であるピーター・メルキュア氏が使っていた言葉で、
現在は日本の岡田先生を通じて伝えられています。
僕自身、2〜3年ぶりにまとまった形で学びの場に身を置き、
改めて身体の深層が動く感覚を味わった、とても濃密な3日間でした。
「流沙」とは何か?
流沙とは、いわば**10シリーズの“裏面”**にあたるもの。
通常の手順や構造的アプローチの背後にある、
より繊細で、より深い“流れ”のようなものに触れていくためのワークです。
タッチも、アプローチの仕方も、今までのそれとはまったく違う。
終わってみると、
「まるで新しいソフトウェアをインストールされたよう」
そんな感覚が身体に残っていました。
流動体のようなタッチ
セミナーでは、「フリューダイズドベッド(fluidized bed)」のようなイメージが紹介されました。
※ ベッド内部の細かい粒子に空気を送り込むと、流動状態となり、体圧を分散してくれる。
通常のマットレスよりも“浮いているような”感覚になる。
この「浮いているような」「包まれるような」タッチこそ、
リュウサのタッチに近いと感じました。
セミナー内容と、僕の体験
【1日目】仙骨と腰椎の“狭間”を開く
多くの人が固めがちな“仙骨と腰椎の接続部”。
まさに詰まりの溜まり場のような場所を、丁寧にほどいていくワーク。
このセッションのあとから、腰椎の感覚が劇的に変わりました。
「ここ、まだこんなに開いてなかったのか」と、
自分の身体の“未開発ゾーン”に出会ったような気分でした。
【2日目】背骨全体へのアプローチ
第1のブロックが開いた後、2日目は**背骨全体(特に胸椎〜胸郭)**へのワークへ。
触れ方は、「解く」というよりも「促す」に近い。
こちらが手を動かすのではなく、相手の身体が自ら動き出すのを待つような感覚。
その「間(ま)」が、すごく新鮮でした。
【3日目】全体の統合
3日目は、前の2日間で得た動きや気づきを、
“受け手の動き”を通してまとめていくプロセス。
僕自身もこの3日間、しっかりとワークを受けたことで、
「ロルフメソッドって、そもそも何を提供するものだったのか」
という原点に立ち返る時間になりました。
大きな気づき
1. 「平和な場所を提供する」という原点
普段のワークでは、どうしても「痛み」や「不調」などに引っ張られがちです。
でも今回の学びで思い出したのは、
ロルフメソッドは本来、“その人の中の平和な場所”をサポートするものだったということ。
痛みや歪みにだけ意識を向けすぎていた自分に、
「そこじゃないよ」と言われた気がしました。
2. 自分が開いていなかったことに気づいた
セミナーを通して感じたのは、自分が閉じていたことへの気づきです。
身体も、感情も、人との関係性も──
知らないうちに、僕自身が少しずつ閉じていた。
でも、セミナー後の今、
「開いている感覚」がまだ残っていて、
それが人との関わりにも、柔らかな影響を与えているのを感じています。
3. ワークする自分自身のあり方
最後に強く感じたのは、
「統合された状態を届けることには、自分自身のあり方も変わらなくてはいけない」ということ。
とても難しいお題です。
悟ってるわけでもないので、日々の日常に引っ張られがちになってしまいます。
忘れないようにしないといけないなと。
おわりに
今回の流沙セミナーで得たものは、これからのセッションに確実に反映されていきます。
タッチの質も、在り方も、すでに少しずつ変わり始めています。
この“開かれた感覚”と、“平和な場所”の記憶を大切に、
また一人ひとりのクライアントさんと、丁寧に向き合っていきたいと思います。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。