施術日誌「寝てた?」いいえ、それが一番身体の変わる時。身体の奥に響く「基調低音」を整える。

施術日誌「寝てた?」いいえ、それが一番身体の変わる時。身体の奥に響く「基調低音」を整える。

デスクワークが続き、「座りっぱなしでお尻が固まってしまった」というお客様がいらっしゃいました。 長く通ってくださっている方ですが、今日のお体はデスクワーク特有の前傾姿勢で固まり、お腹の奥にある「大腰筋(だいようきん)」が伸びづらい状態になっていました。

お尻が凝るからといって、お尻だけを揉んでも解決はしません。

今日のセッションでは、まず土台となる内転筋(太ももの内側)にアプローチして、足を地面にどっしりと根付かせることから始めました。そこからお腹の前側をゆっくりと解放し、最後にようやくお尻へ。 すると、足の裏から頭頂まで一本の線が通るような、見事な「垂直軸」が立ち上がりました。

◆「寝ているようで、寝ていない」覚醒の狭間

セッションの後、お客様は「寝てしまったかも……」と仰っていましたが、施術をしていた私の感覚は少し違いました。

完全に寝落ちしているわけでもなく、かといって目がギラギラと冴えているわけでもない。 いわゆる、**「ちょうどいい覚醒状態(まどろみ)」**です。

実は、この状態こそが身体の変化を最も受け入れやすい時間。 脳の表層的なガードが外れ、身体の深層部がこちらの働きかけを素直に受け取ってくれる。そんな、身体の底流に流れる**「基調低音(きちょうていおん)」**が鳴り響くような、最も純粋な時間です。

◆流れに身を任せる「水手(すいしゅ)」のタッチ

今回、私の中で大きな手応えがありました。 それは、筋肉という「物質」の形だけでなく、身体の中を流れる「気」のような微細な流れに、私のタッチを完全に同調させること。

太極拳などの武術でいう**「水手(すいしゅ)」**のように、相手の流れに逆らわず、水のように寄り添い続ける。 そうすることで、身体が勝手に緩む場所を見つけ、本来の位置へと戻っていくのを感じました。

派手な変化を追うのではなく、その人の生命の底に流れる「音」を整えるようなセッション。

デスクワークで呼吸が浅くなり、身体が「浮いて」しまっていると感じる方にこそ、一度この感覚を味わってほしいな、と思っています。

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