【施術日記】「茶柱が立った」ような感覚――パフォーマーの身体構造をアップデートする

今日は、長くお付き合いのあるパフォーマーの方のセッションでした。
身体を資本とする表現者の方は、ご自身の微細な変化に非常に敏感です。
今回のお伺いしたお話は、慢性的な**「腰の重さ」**。
状態を確認すると、右足が外側に流れ、左の骨盤には動きの制限が見られました。
また、パフォーマンス時の癖で胸郭が前に突き出る形になっており、それが首周りの詰まりを引き起こしている状態です。
どこか一箇所を「修正」するのではなく、身体全体のつながりから**「アップデート」**していくアプローチをとりました。
1. 呼吸の解放: まずは胸郭周りを緩め、呼吸が深く入るための「スペース」を確保します。
2. 接地の確立: 足首から下を丁寧に整え、地面をしっかり捉えられる土台を作ります。
3. 構造の再構築: 骨盤の前側へのアプローチで左右差を丁寧に取り除き、最後に尾骨の動きが頸椎、そして頭頂まで連動するムーブメントを行いました。
セッションの終盤、身体の深層部が一本に繋がり、重力と調和した瞬間。
クライアント様から、アーティストらしい感性豊かな言葉がこぼれました。
「なんだか、茶柱が立ったみたいな感じです」
水の中にスッと自立して浮かぶ、あの真っ直ぐな柱。
まさに、身体の中に**「垂直軸(ザ・ライン)」**が再構築された感覚を、これ以上ないほど的確に表現していただいたと感じます。
このように現場で生まれる「生身の感動」こそが、私のセッションの原動力です。
表面的な重さを取り去るだけでなく、身体のOSそのものを書き換えるような体験。
これからも、そのプロセスを大切にしたいと思います。

