Advanced Practitioner

米国IASI公認アドバンス・プラクティショナー。

創始者アイダ・ロルフ博士、直弟子のニール・パワーズ氏、そして岡田氏へと澱みなく受け継がれた「身体構造の真理」を12年研鑽。

神楽坂の地で、その正統な教えを継承する数少ないプラクティショナーです。

【施術日記】伝統芸能の「骨盤」と、重力を味方にする「垂直の伸び」。

【施術日記】伝統芸能の「骨盤」と、重力を味方にする「垂直の伸び」。

全3回のポストシリーズ、本日はその締めくくりとなる「全身」のセッションでした。
お相手は、以前もご紹介した、古典芸能の世界で「声」を磨き続けている表現者の方です。

セッション中、非常に興味深いお話を伺いました。
その世界では、骨盤の傾きで声のトーンを使い分けるのだそうです。

「低い声は骨盤を後傾させ、高い声は前傾させて出す」

古くから伝わる「型」の中に、解剖学的な理にかなった身体の使い方が潜んでいることに、改めて感動を覚えました。

しかし、舞台で長時間、小さな椅子に座って前傾姿勢で声を出し続ける日々は、お体に独自の「癖」を刻んでいました。
背中の張り、そして常に前へ、前へと崩れようとする重力の重み。

今回のセッションでは、特定の部位に固執せず、全身の**「水平面」**を整えることに注力しました。
足首から膝、そして骨盤へと。
関節の一つひとつを重力に対して水平に並べ直していく作業です。

柔軟な骨盤を活かしつつ、背中から首、頭部にかけての緊張をリリースしていくと、セッション終わりには驚くような変化が。

無理に前傾して踏ん張るのではなく、**天から吊り下げられているような、上へ上へと自然に伸びていく「垂直軸」**が立ち現れたのです。
背中もスッと本来の長さを取り戻していました。

「こんなの覚えられないよう!」
帰り際、日常で軸を維持するためのコツ(骨盤を少し前傾させて背中を楽にする感覚)をお伝えすると、彼は笑いながら仰いました。

でも、大丈夫です。 僕たちが共有したのは、頭で覚える知識ではなく、**「身体が思い出す構造」**です。

6月の再会まで、その新しい身体が重力という「最大のセラピスト」と共に、どんな変化を遂げているのか。
より自由で豊かな響きに包まれることを願っています。

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